モニターの上へ細い照明を載せるScreenBar型ライトは、机の奥行きを使わず、キーボードや書類だけを照らせます。BenQが作ったカテゴリーへ、中国の照明メーカーとアクセサリーブランドが参入し、調光だけでなく、アプリ、音声操作、ゲーム連動、RGBバックライトまで加わりました。
ただし、スマート機能の多さとデスク照明としての完成度は別です。前方の光が画面へ映り込まないこと、机の必要な範囲が均一に明るくなること、モニターへ無理なく固定できることが先です。その上で、Yeelightはゲームとスマートホーム、BenQは配光と自動化、Baseusは価格と物理操作を選ぶ構成になります。
BenQは台湾発のブランドであり、中国本土ブランドではありません。ScreenBarシリーズは、中国メーカーが比較対象としてきたこのカテゴリーの基準機として扱うのが正確です。
3製品は「スマート」の意味が違う
| 製品 | Yeelight LED Screen Light Bar Pro | BenQ ScreenBar Pro | Baseus i-wok 3 |
|---|---|---|---|
| 主な役割 | 前面照明+RGB背面演出 | 広範囲の作業照明 | 手頃な前面照明 |
| 操作 | 無線ノブ、アプリ、音声 | 本体タッチ、自動調光、人感連動 | 本体タッチ |
| 色温度 | 調整可能 | 2700~6500K、8段階 | 2700~6000K |
| 演色性 | 公式ページに数値記載なし | Ra 95以上、Rf 96以上 | Ra 95超 |
| 明るさの目安 | 公式ページに照度記載なし | 中央1000lx超、500lx範囲85×50cm | 250lm |
| 電源 | 5V/2A、最大10W | 5V/1.7A、最大8.5W | 5V/1A、最大5W |
| 向く人 | RGBとゲーム連動を使う人 | 毎日長時間作業する人 | 低予算で基本機能が欲しい人 |
Yeelightのスマート化は、ネットワークとRGB演出が中心です。BenQはアプリへ寄せず、照度センサーと超音波センサーで日常操作を減らしています。Baseusはさらに単純で、タッチ操作と設定記憶を備えたUSB照明です。
Yeelight:前は仕事、後ろはゲーム用RGB
Yeelight LED Screen Light Bar Pro。画像: Yeelight公式ストア
Yeelight LED Screen Light Bar Proは、型番YLTD003、ライト本体の長さ約48.6cm、定格5V/2A、最大10Wのモニターライトです。前面は机を照らす白色光、背面は壁へ色を広げるRGBライトという二つの役割を持ちます。
背面は1600万色に対応し、Mi Homeアプリのシーン設定、Google Assistant、Amazon Alexa、Samsung SmartThingsの音声操作を利用できます。PCゲームではRazer ChromaやOverwolfとの連動にも対応します。物理的な無線ノブが付属し、アプリを開かずに前面照明とゲーム照明の切り替え、明るさ、色温度を調整できます。
RGBバックライトは、暗い部屋で画面の後ろを少し明るくし、壁と画面の明暗差を和らげる使い方ができます。一方、ゲーム映像に合わせて色を激しく変えるモードは、落ち着いた作業照明とは目的が異なります。仕事用の白色光と演出用RGBを別々に評価すべき製品です。
ライト部は磁石で台座へ取り付け、最大25度まで角度を調整できます。角度の自由度がある反面、手前へ向けすぎると光源が直接目に入り、奥へ向けすぎると画面へ反射します。着席位置からLEDが見えず、黒い画面にも白い帯が映らない角度へ合わせる必要があります。
公式ストアの仕様には照度、照明範囲、演色評価の数値がありません。RGBや連動機能を重視する製品であり、広い机を一定照度で照らす能力を数値で比較したい場合はBenQのほうが判断しやすくなります。
BenQ ScreenBar Pro:配光と設置互換性が基準
BenQ ScreenBar Pro。画像: Amazon.co.jp商品ページ
BenQ ScreenBar Proは、50cmの高さで中央照度1000lx超、500lxを確保できる範囲が横85cm、奥行き50cmと公表されています。前世代より広い机やウルトラワイドモニターを想定した、作業照明寄りのモデルです。
第3世代の非対称配光は、光を机へ送りながら画面と目の方向を避けます。色温度は2700~6500Kの8段階、明るさは16段階。演色性はRa 95以上、99色を使う色忠実度の指標はRf 96以上です。紙、キーボード、製品サンプルの色を自然に見せやすい数値ですが、モニターそのものの色を校正する機能ではありません。
自動調光ではセンサーが周囲の明るさを測り、机上を500lxへ近づけます。超音波センサーは前方約60±10cmの動きを検知して点灯し、5分間動きを検知しないと消灯します。動画視聴などで姿勢がほとんど動かないと、使用中でも消灯する可能性があることは公式ページにも記載されています。
新しいクランプは、厚さ0.43~6.5cmの平面・曲面モニターと、1000~1800Rの曲面に対応します。上部にWebカメラを載せるアクセサリーも同梱されます。モニター背面の段差、内蔵カメラ、湾曲パネルまで含めた取り付け互換性は、安価な製品との差が出やすい部分です。
最大消費電力は8.5Wで、5V/1.7AのUSB-C給電を使います。電力が不足すると最大輝度が下がったり、点滅したりする場合があります。付属アダプターを使えば安定しますが、本体ケーブルは着脱式ではないため、断線時にケーブルだけを交換できません。
Baseus i-wok 3:物理操作で完結する低価格路線
Baseus i-wok 3。画像: Baseus製品ページ
Baseus i-wok 3は、約48.5cm、最大5W、250lmのモニターライトです。色温度は2700~6000K、演色性はRa 95超。USB-Cで5V/1Aを受け、タッチ操作で明るさと色温度を無段階に調整し、前回の設定を記憶します。
アプリ、音声操作、人感センサーはありません。照明を点け、机が見やすい明るさと色へ合わせるだけなら、この単純さは欠点ではありません。ネットワーク設定やアカウントを必要とせず、PCやUSBアダプターへつなげば使えます。
磁石式のライト部は最大270度回転でき、前方照明だけでなく壁側へ向けることもできます。ただし、大きく回せることと、画面へ反射しないことは同じではありません。正面から黒い画面を見て反射を確認し、光源が目へ直接入らない範囲で固定します。
Baseusは販売地域と時期によってi-wok、i-wok 2、i-wok 3など複数世代が混在します。今回のAmazonリンクも特定製品ではなくBaseusブランドストアです。背面ライトの有無、無線リモコン、クランプ形状、色温度、電源端子は、注文する商品ページの型番と画像で確認する必要があります。
モニターライトが普通のデスクライトより有利な条件
机が狭い
台座やアームを机へ置かないため、奥行きが短い机でもキーボードと書類の場所を残せます。モニターアームを使い、画面下を空けている環境とも相性が良い構成です。
書類とキーボードを照らしたい
天井照明だけでは手元が暗い場合、画面のすぐ上から机へ光を落とせます。オンライン会議で顔を明るくするライトではありません。非対称配光は机側を狙うため、顔には下から弱い反射光しか届きません。
左右の影を減らしたい
通常のデスクライトは片側から照らすため、手やキーボードの影が反対側へ伸びます。モニター中央の横長光源なら、正面の作業範囲を左右へ広く照らせます。
先に確認すべき取り付け条件
モニター上部の厚さと形
薄いOLEDモニター、背面が急に膨らむゲーミングモニター、強く湾曲した画面では、クランプが正しく接触しない場合があります。対応する厚さだけでなく、前側の爪が表示部分へかからないか、後ろの重りが端子や放熱口へ当たらないかを見ます。
Webカメラの位置
モニター中央にWebカメラを置く場合、ライトと場所が重なります。カメラをライトの上へ載せられるか、左右へずらせるか、専用マウントがあるかを確認します。BenQ ScreenBar Proは専用アクセサリーを同梱しますが、YeelightとBaseusはカメラごとに固定方法を考える必要があります。
USBの給電能力
モニター背面のUSBは、PCがスリープすると電源も切れる場合があります。復帰時に前回設定を維持するか、毎回点け直す必要があるかは製品ごとに異なります。Yeelightは5V/2A、BenQは5V/1.7Aを必要とするため、出力の弱いUSBポートでは最大輝度を出せません。
「目にやさしい」は照明だけで決まらない
画面へ光が映り込まず、手元が暗すぎないことは作業しやすさにつながります。ただし、モニターライトを追加するだけで眼精疲労を防げるとは限りません。画面の輝度、文字サイズ、視距離、乾燥、休憩、部屋全体の明るさも影響します。
暗い部屋で机だけを強く照らすと、視線を動かすたびに明暗差が大きくなります。Yeelightの背面光や別の間接照明で壁を弱く照らすか、天井照明を低い明るさで併用すると、画面周辺だけが真っ暗になる状態を避けられます。
高演色の数値も、写真編集用モニターの精度を保証するものではありません。RaやRfはライトに照らされた物の見え方を示し、ディスプレイの色域、白色点、ガンマ、色差とは別です。
どれを選ぶべきか
| 使い方 | 選びやすい製品 | 理由 |
|---|---|---|
| ゲームとスマートホーム連動 | Yeelight | RGB背面光、アプリ、音声、Razer連動 |
| 長時間の文書・設計作業 | BenQ ScreenBar Pro | 広い照明範囲、自動調光、設置互換性 |
| 安く手元を照らす | Baseus i-wok 3 | 5W、タッチ操作、設定記憶 |
| ウルトラワイド・曲面モニター | BenQ ScreenBar Pro | 対応厚さと曲率を明示 |
| アプリを使いたくない | BenQまたはBaseus | 本体操作だけで完結 |
Yeelightを選ぶ理由は、白色の前面ライトだけではなく、背面RGBと外部サービス連動を実際に使うことです。仕事中は白色、ゲーム時はRGBという切り替えが明確なら、一台で二役を持たせられます。
BenQ ScreenBar Proは価格より、机上の照明範囲、センサー、クランプ、Webカメラ対応まで確実にそろえたい人向けです。スマートフォンから操作できなくても、座る、離れる、周囲が暗くなるという行動に照明が追従します。
Baseusは、アプリもRGBも不要で、USB接続の省スペースライトが欲しい場合に合います。購入時はブランド名だけで決めず、i-wokの世代と型番を確認します。
最初に見るべき仕様は、アプリ対応ではなく、クランプが自分のモニターへ付くか、光が画面へ反射しないか、必要な机の範囲を照らせるかの三点です。スマート機能は、その条件を満たした後に選ぶ追加機能です。
参考資料・情報源
メーカー公式情報を中心に、日本語・中国語を含む国内外の資料を照合して構成しています。