Xiaomi Sound 2 Maxは、これまでのXiaomi製スマートスピーカーとは明らかに方向が違います。

まず、中国で使われている「XiaoAI(シャオアイ)」は、Amazon AlexaのXiaomi版と考えると分かりやすいでしょう。「音楽をかけて」「照明を消して」と話しかけると、音楽再生や対応家電の操作ができる音声アシスタントです。従来のXiaomi製スピーカーは、このXiaoAIを家の中で使うためのスマート家電という性格が強い製品でした。

一方、Xiaomi Sound 2 Maxは音声アシスタントより先に、スピーカーとしての設計を本気で詰めています。中高音の同軸ユニット、上下に配置した2基の4インチウーファー、合計100Wのアンプ、アルミ合金の一体成形筐体、アプリによる部屋とリスニング位置の補正。構成を見る限り、一般的なスマートスピーカーというより、ネットワーク機能と音声操作を内蔵したアクティブスピーカーです。

2025年9月25日に中国で発表され、発売時価格は1台1,999元。Xiaomiのスピーカーとしては高価ですが、アンプを別に用意する必要がなく、Wi-Fi、Bluetooth、空間補正、音声操作まで一体化していることを考えると、オーディオ製品としては意欲的な価格です。

先に結論を言えば、Xiaomi Sound 2 Maxは「Xiaomiが本気でスピーカーを作り始めた」と評価できる製品です。ただし、日本では中国版特有のアプリ、音声アシスタント、音楽サービス、保証の問題があります。音響設計は魅力的ですが、日本向けのAlexa搭載スピーカーと同じ感覚で買える製品ではありません。

Xiaomi Sound 2 Maxの主な仕様

項目内容
音響方式3ウェイ、上下対称配置
高音1.5インチ、10W
中音4インチ、30W
低音4インチ、30W×2
合計出力100W
接続Wi-Fi 2.4GHz/5GHz、Bluetooth 5.2、Xiaomi Cast、LHDC
ステレオ構成同型2台で2.0、4台で4.0構成に対応
空間補正部屋とリスニング位置をアプリで測定
スマート機能XiaoAI、Mi Home、Xiaomi Mesh 2.0、スマートホームハブ
本体サイズ約197.6×135.3×363.8mm
重量実測約8.2kg
中国発売時価格1台1,999元

最も重要なのは、1台の中に高音、中音、低音を担当する独立ユニットを持つことです。小型スマートスピーカーで多いフルレンジ1基や、ウーファーとツイーターだけの2ウェイとは違い、帯域ごとに役割を分けています。

本気を感じるのは「100W」より3ウェイ同軸構成

Xiaomi Sound 2 Maxの中央には、1.5インチの高音ユニットと4インチの中音ユニットを同じ軸上に置いた同軸ドライバーがあります。その上下に、4インチの低音ユニットを1基ずつ配置しています。

Xiaomi Sound 2 Maxの3ウェイドライバー構成 画像: Xiaomi公式サイト

同軸構成の狙いは、中音と高音の発生位置を近づけることです。ボーカルと楽器の音像がまとまりやすく、聴く位置が少しずれても帯域のつながりが崩れにくくなります。上下の低音ユニットを対称に置く設計も、低音の量を増やすだけでなく、振動を打ち消しやすくし、水平方向へ安定して音を広げるためのものです。

各ユニットの担当帯域も公開されています。高音は3kHz~22kHz、中音は480Hz~4kHzを担当し、2基の低音ユニットがその下を受け持ちます。高音10W、中音30W、低音30W×2で、合計出力は100Wです。

単に「大音量が出るBluetoothスピーカー」なら、100Wという数字だけでも作れます。しかし、専用の3ウェイ構成、電子クロスオーバー、各帯域のD級アンプ、同軸設計まで入れた点に、この製品の本気度があります。

Xiaomi Sound 2 Maxの4インチ低音ユニット 画像: Xiaomi公式サイト

「モニタースピーカー」の表現は少し慎重に見たい

Xiaomiはプロフェッショナル・モニターモードを用意し、50Hz~21kHzで±2.5dBという周波数特性を掲げています。中国の計量・音響関連機関による認証も取得し、ANSI/CTA-2034-Aに沿った測定を行ったと説明しています。

この数値と認証は、少なくとも感覚だけで「高音質」と宣伝している製品ではないことを示します。正面の周波数特性だけでなく、軸外特性や歪みまで意識して設計した点は評価できます。

ただし、Xiaomi Sound 2 Maxをそのまま制作現場向けのスタジオモニターと考えるのは早計です。入力端子、遅延、左右独立運用、長期間の部品供給、測定データの公開範囲など、プロ用モニターとは評価軸が異なります。1台ではステレオ再生にもなりません。

実態に近い表現は、「モニター的なフラット再生も選べる、家庭向けネットワーク・アクティブスピーカー」です。音楽制作専用機というより、普段は聴きやすい音で楽しみ、必要なら色付けを減らせる製品です。

実機レビューでは、ボーカルと高域は好評、低音は好みが分かれる

中国のオーディオメディア「52audio」の実機レビューでは、100Wの出力は家庭用として十分に力強く、ボーカルは明瞭で厚みがあり、高域の楽器も見通しよく再生できると評価されています。3つの帯域のつながりも自然で、歌声の細かな息遣いや質感を捉えやすいという内容です。

一方、低音については、深さはあるものの、曲によっては立ち上がりが少し柔らかく、締まりや瞬発力が足りないという指摘もあります。筐体サイズと4インチウーファー2基という構成を考えると、床を揺らすサブウーファーのような超低音より、リビングで量感と聴きやすさを両立する方向なのでしょう。

これは重要なポイントです。Xiaomi Sound 2 Maxの価値は、低音を過剰に盛ることではなく、中高音のまとまり、広いリスニング範囲、DSP補正を含めた総合設計にあります。重低音だけを期待して買うより、ボーカル、ポップス、ロック、ジャズ、映像を幅広く楽しむ人に合いそうです。

以下の評価は公式資料と外部の実機レビューに基づき、当サイトでの実機試聴に基づくものではありません。

アプリの空間補正は現代のスピーカーらしい強み

スピーカーは、本体の性能だけで音が決まりません。壁との距離、床、カーテン、家具、部屋の広さ、座る位置によって、低音の量や音像は大きく変わります。

Xiaomi Sound 2 Maxは、中国向けの「Xiaomi Speaker」アプリから測定音を再生し、本体とスマートフォンのマイクを使って部屋の反射とリスニング位置を測定します。その結果をもとに、設置場所と普段座る位置に合わせて音を補正します。

高価なAVアンプや一部のアクティブスピーカーでは一般的になった機能ですが、スマートスピーカーに近い使いやすさで利用できるのは大きな利点です。左右を完全に対称に置けない部屋や、壁に近い棚へ置く場合ほど効果を期待できます。

音色はプロフェッショナル・モニター、標準、ボーカル、ブリティッシュロック、北欧ナチュラル、アメリカンポップなどから選べ、低音・中音・高音のEQ調整にも対応します。フラットな音だけを押しつけず、日常の好みに合わせられる設計です。

1台より2台で完成するスピーカー

Xiaomi Sound 2 Maxは1台でも100Wの音を出せますが、音楽を本格的に聴くなら2台構成が本命です。1台では音源の左右情報を十分に再現できず、音場の広さや定位には限界があります。

同型2台をWi-Fiで組み合わせれば、左右を分けた2.0ステレオとして使えます。さらに4台では、通常の2ch音源を分析して4台へ振り分ける「空間音場再構成」に対応します。

2台のXiaomi Sound 2 Maxを使ったステレオ構成 画像: Xiaomi公式サイト

テレビやプロジェクターと組み合わせる場合は、別売りのXiaomi Soundワイヤレスオーディオコネクターが必要です。HDMI ARC/eARCまたはS/PDIFから音を受け、最大4台へワイヤレス伝送します。公式値では最小64msの遅延と、16bit/44.1kHzのCD品質伝送を掲げています。

ここは長所であると同時に弱点でもあります。本体だけでHDMIや光デジタルへ直接つなぐのではなく、テレビ用途では別売り機器とXiaomi独自のワイヤレス接続に依存します。2台なら本体代だけで発売時3,998元、コネクターを加えると4,297元です。本格的なアンプとスピーカーを組み合わせるより導入は簡単ですが、1台1,999元という印象より総額は上がります。

アルミ一体成形、約8.2kg。小型家電ではなく音響機器

外装は一体成形のアルミ合金で、前面には交換式の磁気パネルを装着できます。公式には鋳造後の加工に約9時間をかけ、高い剛性で筐体の共振と不要音を抑えると説明しています。

本体は約36.4cmの高さがあり、実測重量は約8.2kg。持ち運び用のBluetoothスピーカーとは別物です。棚やテレビボードに置く場合は耐荷重を確認し、2台構成なら左右に十分な設置場所が必要です。

前面パネルの磁力について、Xiaomiは機械式腕時計、スマートフォン、タブレット、スマートバンド、イヤホンなどを近づけないよう注意しています。机の上へ気軽に置くより、専用のスピーカースタンドや安定した家具に設置したほうが扱いやすい製品です。

日本で使う場合の最大の問題は中国版サービス

2026年6月時点で、Xiaomi Sound 2 Maxの日本向け公式製品ページは確認できません。中国版はXiaoAI、中国向けのXiaomi Speakerアプリ、QQ Music、NetEase Cloud Musicなどの現地サービスを前提にしています。

そのため、日本で購入すると次の点が問題になります。

  • 音声アシスタントはAlexaやGoogleアシスタントではなく、中国向けのXiaoAI
  • 音楽サービスの権利や地域制限により、中国と同じ機能を利用できない可能性がある
  • 初期設定やファームウェア更新で中国リージョンのアカウント・アプリが必要になる可能性がある
  • 日本向けのMi Home環境と中国版デバイスを同じ構成で管理できない場合がある
  • 輸入品は技適、電源、修理、返品、保証条件を個別に確認する必要がある

Bluetoothスピーカーとして音を出すだけならハードルは下がります。しかし、空間補正、ステレオペア、音色設定、Mi Home連携まで使ってこそ、この製品の価値を引き出せます。購入前に販売ページで日本語対応、アプリの設定方法、電源仕様、保証主体を確認しておきたいところです。

なお、掲載しているAmazonリンクはXiaomi日本公式ストアへのリンクです。リンク先で現在取り扱っている商品は変わる場合があり、Xiaomi Sound 2 Maxの商品ページを直接示すものではありません。

どんな人に向いているか

向いている人向いていない人
Xiaomiの中国版サービスを理解して使える日本語で簡単に初期設定したい
1台のスマートスピーカーより音質を優先するAlexaやGoogleアシスタントが必須
2台構成でステレオ再生したい1台で広いステレオ感を求める
空間補正やDSPを積極的に使いたいHDMIやAUXへ本体を直接つなぎたい
アンプ内蔵で配線を減らしたい国内保証と長期修理を最優先する

Xiaomi Sound 2 Maxは、「Xiaomi製だから安い」という理由だけで選ぶスピーカーではありません。中国版を扱う手間を理解したうえで、3ウェイ同軸、100W、空間補正、ワイヤレス・ステレオという構成に価値を感じる人向けです。

結論、Xiaomiがようやく「スピーカーそのもの」に本気を出した

Xiaomi Sound 2 Maxが面白いのは、スマート機能を増やしたことではありません。3ウェイ同軸構成、上下対称の低音ユニット、帯域別アンプ、剛性の高い金属筐体、測定に基づく音響補正という、スピーカーの基本部分にきちんとコストをかけたことです。

もちろん、1,999元でプロ用モニタースピーカーを置き換える製品ではありません。低音の瞬発力には評価が分かれ、1台ではモノラル、テレビ接続には別売りコネクターが必要です。日本で使う場合は、中国版サービスと保証のハードルも無視できません。

それでも、従来のXiaomi製スマートスピーカーとは明確に違います。Alexa搭載スピーカーのようなスマート家電を高音質化したのではなく、まずアクティブスピーカーをきちんと設計し、そこへXiaoAIとMi Homeを加えた製品です。

Xiaomiが本気でスピーカーを作ったのか、と聞かれれば答えは「はい」です。ただし、日本の利用者にとっては、正式な国内展開と日本向けソフトウェアがそろって初めて、安心してすすめられる完成形になります。

参考資料・情報源

メーカー公式情報を中心に、日本語・中国語を含む国内外の資料を照合して構成しています。

  1. Xiaomi China Xiaomi Sound 2 Max official
  2. Xiaomi China Xiaomi Sound 2 Max specs
  3. 52audio Xiaomi Sound 2 Max review
  4. ITHome China Xiaomi Sound 2 Max launch report
  5. EETREND Xiaomi Sound 2 Max technical overview

調査・更新・アフィリエイトに関する編集方針